有明産業の樽

About Ariake Cask

40年以上受け継がれてきた、有明クーパー独自の技術。
「お酒の味わいをつくる樽」をお届けします。

有明産業の樽製造への想い

お酒の味わいづくりを大きく左右する木材は、私たち有明産業のものづくりの原点です。
木材の個性を一つ一つ探求しながら、これまで幾度となく挑戦と挫折を繰り返し、厳選した木材で理想の樽に近づいてきました。
私たちの樽で熟成されたお酒は、造り手の評価やブランド価値に直結するため、常に責任を感じながら製造に取り組んでいます。
その一方で、樽造りには挑戦と工夫の余地があり、無限の可能性を秘めています。
「有明さんの樽でお酒がより良くなった」という言葉は、私たちが付加価値を生み出している証であり、何よりの喜びです。
私たちの樽事業は単なる製造ではなく、お客様の本質的な課題を解決し、新しい価値を共に創ることにあります。
国内の樽造りを守り続け、次世代を担う樽職人を育成し、世界に向けて日本のお酒が持つ新たな価値を提供できるよう、日々技術を磨いてまいります。

樽ができるまで

  • 伐採

    樽材の原料になる丸太を切り出します。樽材には、しっかりと太さがあり、まっすぐに育った丸太のみを使用します。

  • 乾燥

    切り出された木材は、乾燥の工程に入ります。乾燥方法には、自然の環境で時間をかけて乾かす「天然乾燥」と、窯などの設備を使い効率的に乾かす「人工乾燥」の2種類があります。

  • 製材

    樽の特徴的な湾曲を作るために、木材を樽材特有の形状に製材します。製材時には、職人が木目を一つ一つ確認しながら加工を行っています。

  • 樽の組み立て

    異なる幅の材を調整しながら、樽の容量が正確に合うように組み上げていきます。組み上げた後の、写真のような形状を「朝顔」と呼んでいます。

  • 樽の曲げ加工

    朝顔に水をかけながら、ゆっくりと火を当てて木材を温めます。十分に温まったら、圧力をかけて樽の胴部が丸みを帯びるように曲げていきます。

  • チャーリング・トースティング

    樽の内側に焼きを入れます。焼き方には「チャーリング」と「トースティング」の2種類があり、それぞれ木材から抽出される成分が異なるため、香りや味わいにも変化を生みます。

  • 鏡板の組み入れ

    樽の胴部に鏡板(ふたの部分)を取り付けます。取り付けの際には、漏れを防ぐために胴部と鏡板の間に、「ガマ」という植物を入れます。

  • 漏れチェック

    樽の内部に水を入れ、漏れがないかを確認します。漏れが見つかった場合は、しっかりと補修を行い、漏れのない状態に仕上げます。

  • 完成

    完成した樽は、皆様のもとへ大切にお届けいたします。

メンテナンス Maintenance

既に使用された樽であっても、メンテナンスを行うことで木がもつ本来の風味が甦ります。

修理

スコットランドの蒸留所やフランスのワイナリーの近隣ではクーパーと呼ばれる樽職人たちがお酒造りの職人たちとともに働いています。 彼らは、醸造や熟成の終えた樽の修理やメンテナンスを行い、大切な原酒が漏れないようにいつも見守っています。

日本ではこうした専属のクーパー文化がほとんど根付いていないこともあり、購入した樽には一度も人の手が入ることなく使用される、もしくはそのメンテナンスの難しさから樽を使いたくてもなかなか使えないという状況が数多くございます。私たちは、長年の技術を活かし、高品質な樽を長くご使用いただけるようにサポートいたします。

再生

樽は出荷後、お客様のもとで3~5年の間に熟成を重ねることで、樽の風味や色合いが少しずつ変化していきます。
当社では、内面を削るリチャーリングやリトースティングによって、熟成力をおよそ70%までよみがえらせることができます。
鏡板を新しい木材に交換することで、新樽に近い効果も期待できます。

さらに、当社の樽は、再生して長く使えるような工夫を行っており、他にはない高い耐久性を持っています。
再生はコストを抑えながら、樽の風味や色合いが穏やかに現れるため、バランスの取れた熟成が期待できます。
焼き直しのタイミングなども、どうぞお気軽にご相談ください。

組み換え

貯蔵効率の向上と欠減率の低減を目的に、樽の組み換えを行っています。
主にバーボン樽200Lを250Lへサイズアップすることで、同じスペースでより多くの原酒を貯蔵できます。
また、サイズ変更に伴う鏡板の新品交換は味わいの約3分の1に影響を与えるとされ、風味の活性化も期待できます。
容量の拡大により歩留まりが向上し、生産量の増加や、より効率的で味わい豊かな熟成環境の実現、そして原酒の個性を最大限に引き出すことにつながります。

技術の継承

日本国内では、和洋問わず樽文化が徐々に姿を変えつつあります。
特に洋樽は、長年にわたりお酒を育むうえで欠かせない存在です。樽は単なる容器ではなく、数十年にわたる熟成の中で香味を引き出し、お酒をより豊かに、美味しくする役割を担っています。

洋樽の基本的な形や機能は、約3000年前からほとんど変わっていません。それは、完成された機能美と職人の技が融合した、時代を超えて支持される道具だからにほかなりません。

しかし現在、日本で洋樽を造るクーパー(樽職人)はおよそ50名。高齢化も進む中、技術や技能の継承が課題となっています。

有明産業は、この大切な文化を次世代に伝えるべく、樽職人の育成に力を注いでいます。お客様のお酒に合わせた樽の開発や、その土地・風土に根ざした樽文化の発展を目指すこと。それこそが、私たちが大切にしている“職人の誇り”であり、酒造りを支える責任だと考えています。