原酒は呼吸をして丸みを帯び、抽出される成分で色付き、他の器では決して真似のできない熟成を実現します。
蒸留、醸造された原酒は、樽詰めして熟成を行います。 熟成条件によって風味が劇的に変わるため、この工程がお酒の特徴を決めるといっても過言ではありません。 樽の種類は、大切な要素のひとつ。材質の大きさに加え、古樽の場合は以前どんなお酒が入っていたかで、出来上がりの熟成が変わるため、樽をセレクトすることが重要になります。 樽熟成を行う中で、若い原酒の不快な香味成分取り除かれ、樽内に取り込まれる酸素によって穏やかな酸化熟成やエステル化が進み、まろやかで複雑な味わいになっていきます。また、熟成期間もお酒の個性を形づくる重要な要素になっており、熟成中に樽材から溶け出した成分によって、お酒は徐々に琥珀色へと変化していくのです。 樽庫の建っている場所の気候や風土が、ダイレクトに酒質に影響を及ぼします。 外気温、風土によって異なりますが、お酒は樽材の隙間から一年間に約2~3%ほど蒸発し、これをエンジェルズシェア(天使の分け前)と呼びます。 中身が減った分だけ、残りのお酒の風味が濃縮されるのです。
樽で熟成する期間が長い程、色づきは濃くなっていきます。
樽の容量が小さい程、お酒の接する表面積が大きくなる為、色付きは早くなります。